小田急沿線で味わう ヨーロッパの伝統料理3選

その土地の風土や歴史が息づくヨーロッパの郷土料理。豊かな自然と文化が育んだ伝統の味は、日本にいながら旅気分を味わわせてくれます。今回は、ヨーロッパの伝統料理を楽しめる小田急沿線のレストランをご紹介します。日常の中で気軽に、異国の料理や文化に触れてみてはいかがでしょうか。
elarte(エラルテ)

スペイン・バスクの風味を加えた
イカ墨のパエリア
「elarte(エラルテ)」は、スペイン北部に位置するバスク地方の食文化を楽しめるレストランです。スペイン・マドリッドの王宮広場にある人気レストランで副料理長を務めたこともあるイニャキさんが得意とするのは、出身地のバスク地方で親しまれているイカ墨料理。新鮮なイカとパプリカで仕上げた「イカ墨のパエリア」(2人前4,200円)は、バスクから取り寄せた濃厚なイカ墨と、バレンシア地方で発祥したパエリアを掛け合わせた人気メニューです。
日本の土地に合った食材や調味料を使いながらも本場スペインの味を再現するイニャキさんの料理は、どれも手間ひまかけた一皿ばかり。ランチコースもあり、2名以上で訪れる方には、数種類のパエリアから1つを選べる「バスク パエリアコース」(3,900円)がおすすめ。コース利用には事前予約が安心です。

ディナー限定の人気メニューが「ヒラメのチャングーロ包みオーブン焼き チャコリーナソース」(3,000円)。新鮮なヒラメでカニの味噌とほぐし身を包みオーブンでじっくり焼き上げたものに、貝のダシや白ワインをベースにしたチャコリーナソースを合わせた一品。ふんわりとしたヒラメの食感と、ディルと合わせたクリーミィなソースの風味が食欲をそそります。

すりおろしたクルミをミルクで煮出した「インチャウサルサ」(500円)は、バスク地方に伝わる伝統的なデザート。クリーミーでありながら、香ばしいくるみとシナモンの風味と甘さが口いっぱいに広がり、家庭料理としても親しまれている味です。

藤沢駅から歩いて6分ほどのお店の入り口は、ロイヤルブルーの看板とスペイン国旗が目印。通路の奥にある扉を開けると、シェフのイニャキさんが創作したモザイクタイルのアートが出迎えてくれます。大きめの窓から自然光が差し込む店内は明るい雰囲気で、イニャキさんが腕を振るうオープンキッチンにはワイングラスが吊るされ、北のバスクから南のアンダルシアまで、スペイン全土から選んだ約30種のワインがそろいます。ブドウ栽培面積が世界最大で料理に合わせてワインを楽しむ文化が根付いているスペイン。そんな食の豊かさを気軽に楽しめるお店です。
店舗情報

elarte(エラルテ)
住所 | 神奈川県藤沢市南藤沢9-2山下ビル1階 |
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営業時間 | ランチ 水〜金11:30~14:30(L.O.14:00/最終入店時間13:15)土・日11:30~15:00(L.O.14:00/最終入店時間13:15)ディナー 水〜土17:00~23:00(L.O.22:00/最終入店時間20:30)日17:00~22:30(L.O.21:30/最終入店時間20:00) |
定休日 | 月曜、火曜 |
電話 | 0466-52-5501 |
アクセス | 藤沢駅 から徒歩6分 |
AZ Finom(アズフィノム)

ハンガリー料理を育む
国民的スパイス「パプリカ」
中央ヨーロッパの食文化を色濃く受け継ぐハンガリー料理を楽しめるのが「AZ Finom(アズフィノム)」。店名の“Finom”はハンガリー語で「おいしい」を意味します。多様な文化や価値観が共存し、芸術性に富むハンガリー。その洗練された美意識は、店内で使われているテーブルウエアからも感じられます。食器はハンガリーを代表する名窯「ジョルナイ」で統一されており、料理に華を添えています。
厨房に立つのは、首都ブダペスト出身で高級レストランや一流ホテルで腕を磨いてきたジュリナ・ジョルジュさん。家庭で親しまれてきた伝統料理を、一流レストランの味に昇華させています。代表的な一皿が「ハンガリー風ロールキャベツ」(1,800円)。豚ひき肉とごはんをキャベツで包み、ザワークラウトとともに粉末状のパプリカ(パプリカパウダー)を加えて煮込み、ほどよい酸味が特徴。クリスマスや結婚式など、ハンガリーでは特別な場に欠かせない伝統料理です。料理と一緒に楽しみたいのが、ハンガリー産の白ワイン「プクルシュ・トカイ・フルミント」(グラス1,000円)。芳醇な香りを持つ辛口で、同国を代表する白ブドウ「フルミント」を100%使っています。お皿に残ったソースは、「自家製パン」(3切れ500円)に付けて、最後まで楽しめます。


もう一つの名物「グヤーシュスープ」(Sサイズ1,200円)は、牛肉をパプリカパウダーでじっくり煮込み、ジャガイモとニンジンを入れたハンガリーを代表するスープ。素材の旨味が幾重にも重なり、一口ごとに野菜の甘みとスパイスの風味が広がります。
こだわりぬかれたワインが並ぶオープンキッチンやきれいにクロスが敷かれたテーブル、オーナーが現地で撮影した写真が飾られた店内は、ヨーロッパの由緒正しいレストランのような雰囲気。ハンガリーの“おいしい”を体験しに、ぜひ訪れてみては。
店舗情報

AZ Finom(アズフィノム)
住所 | 東京都渋谷区神宮前2-19-5 AZUMAビル地下1階 |
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営業時間 | 12:00~15:00(L.O.14:00) 18:00~22:00 (L.O.21:00) |
定休日 | 月曜、日曜、祝日 |
電話 | 03-5913-8073 |
アクセス | 千代田線・明治神宮前駅から徒歩10分 |
Sedmikrásky(セドミクラースキー)

チェコ好き姉妹がつくる
あったかビーフシチュー
代々木上原駅から徒歩2分。閑静な住宅街の一角に、姉妹が営むチェコ料理店「Sedmikrásky(セドミクラースキー)」はあります。ヨーロッパの古き良き風情をそのままに、家庭的な温もりと素朴な味わいが堪能できる一軒で、店名は1966年公開のチェコ映画「ひなぎく」に由来します。
看板メニューの「ホヴェジーグラーシュとクネドリーキ」(1,650円)は、牛肉にパプリカや香辛料を加えてじっくりと煮込んだチェコの伝統的なシチュー「ホヴェジーグラーシュ」に、チェコの郷土料理である茹でパン「クネドリーキ」を添えた一皿。素朴な素材から引き出された、さらりとしながらも深みのあるソースの旨みを、もっちりとした「クネドリーキ」がやさしく受け止めます。ナイフとフォークで絡めながら味わうのが、チェコ流の楽しみ方です。


ビールのお供に相性抜群の前菜「ウトペネツ」(660円)は、酸味とスパイスがしっかり効いたソーセージのマリネ。近所の精肉店から仕入れた太めでジューシーなソーセージを、特製のピクルス液に漬け込んで作ります。この料理に合わせるなら、チェコの伝統的なビール「ピルスナーウルケル」(880円)を。黄金色の輝きとクリーミーな泡、心地よいホップの苦みが特徴的なビールが、料理を引き立てます。
映画のポスターや、チェコで買い付けた食器が飾られた店内は、どこか懐かしく、心安らぐ空間。チェコを深く愛する姉妹が、現地で教わった家庭の味を大切に再現して提供する、まるで旅先で見つけたような隠れ家です。
店舗情報

Sedmikrásky(セドミクラースキー)
住所 | 東京都渋谷区西原 3-16-7 101 |
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営業時間 | 水・金 12:00〜15:00(L.O 14:00)土 12:00〜15:00 18:00〜21:00(L.O 20:00) |
定休日 | 月曜、火曜、木曜、日曜 |
電話 | 03-5478-8057 |
アクセス | 代々木上原駅 から徒歩2分 |
※2025年9月9日現在の情報です。最新の情報をご確認ください。
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